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反応・合成

強制薄膜式マイクロリアクター ULREA(アルリア)

ナノテクノロジーは、世界経済のほぼすべての分野において影響を与えていると言われています。
物質をナノメートルといわれる10のマイナス9乗の領域、すなわち原子や分子のスケールで操り、制御する技術がナノテクノロジーと言われる技術です。物質をナノレベルで変化させることで、物性が変わり、これまで考えられなかったような革新的な特性が現れます。
材料はものづくりを支える根幹技術であり、産業競争力向上のために非常に重要な分野です。当社が開発した強制薄膜式マイクロリアクターULREA(アルリア)を用いることでナノテクノロジーを活かした革新的な材料を創製することが可能です。
またULREA(アルリア)は省エネルギー、省資源など持続可能なものづくりの手法として期待されている、スケールアップが可能な連続生産システムです。

ULREA(アルリア)の原理

ULREA(アルリア)はULtimate micro REActorを略して命名した、湿式法・連続式の反応装置です。2枚のディスク間にできる、マイクロメートルオーダーの隙間を、反応容器、反応場または晶析場として応用いたします。一例として、「A+B→X」という反応または晶析をULREA(アルリア)に適応する場合には、まず流体Aをディスク間に導入します。流体Aはディスク内側から送液圧力(プロセス圧)を制御された状態で導入されており、これによってディスク間に流体Aの強制薄膜(上下ディスクによって自由界面を持たない閉じられた系の薄膜)が形成され、フローティング機構によってディスク間のマイクロメートルオーダーの流路が安定的に保持されます。流体Aの強制薄膜流体はディスク内側から外側に向かう方向に送液されますが、その際に回転ディスクによって回転方向への流れが形成されています。連続的に流体Aをディスク間に導入しながら、別の流路から流体Bをディスク間に直接導入します。その結果、流体Aと流体Bはディスク間のマイクロ流路内で急速に拡散・混合され、反応或いは晶析が効率良く進行し、反応生成物Xを含む流体Xがディスク間から吐出されます。

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ULREA(アルリア)の特長

1. 確実なスケールアップが可能
2. 分子レベルでの拡散・高速混合が可能
3. 瞬間的な混合条件制御が可能
4. 超高速な多段反応も可能
5. 省エネルギー・低動力
6. 脱溶媒、気-液反応にも対応可能
7. 精密な反応場
8. 危険な反応にも対応可能
9. 粒子の表面状態も制御可能

  • 1~30μmの強制薄膜マイクロ流路で急速に2液を拡散・混合することで、反応時間の短縮、収率の向上、省エネルギー・低動力、を可能とした湿式連続プロセスが実現できます。
  • ナノ粒子、マイクロ粒子の精密な粒子設計および表面処理を連続プロセスとして可能といたしました。
  • マイクロリアクターの流路閉塞の問題を解決し、スケールアップおよびフロー合成の工業化を具現化しいたました。

強制薄膜式マイクロリアクターULREA(アルリア)は、プロセスを革新し産業界のさらなる発展に貢献できると確信しております。

粉砕法における問題点

粉砕でナノ粒子を得ようとすると大きな装置および動力源が必要となりエネルギーコストが高くなります。
粒子の結晶構造が粉砕により破壊され、非晶質化や相転移が誘発され異種物質間で固相反応が起こる場合もあります。またコンタミネーション発生の可能性が高くなります。
ULREA(アルリア)で作製する粒子にはそのような問題が生じません。

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バッチ式反応における問題点

実験室ではフラスコやビーカー、生産技術においては反応タンクのようなバッチ式での反応法が一般的ですが、容器のもつ容積によって、反応液の濃度、温度に不均一な分布を与えます。容器内に生まれる反応場の不均一性は、反応状態に影響を与え、得られる生成物の生成率や収率に良くない結果を与えます。それらの問題を解決するために、これまで世界中でマイクロリアクターが研究されてきました。図に見られるような微小流路のマイクロリアクターは幅、数十μm~数百μmの流路中で反応物を接触させて反応を行うものです。微小流路で反応を行うことで、高速混合が可能であることや温度制御が精密に行えること、同様に濃度の均一性も高くなりやすいなどの利点があります。そのため、高純度な反応生成物を高収率で得やすく、ナノ粒子の作製にも応用が試みられました。

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マイクロリアクターにおける問題点

マイクロリアクターとは「マイクロ空間を反応場とする反応装置」のことです。化学反応の効率は、分子と分子の衝突頻度と系に与えられたエネルギーで決まります。マイクロ空間では分子や熱の移動距離が短いため、分子の衝突頻度の増加と速やかな熱の移動が可能です。そのため高速混合・高速熱交換、高速拡散、精密制御などが可能です。
マイクロリアクターはフラスコやバッチ式反応装置にかわる新しい反応装置として選択性や収率の劇的向上や、バッチではできない反応の実現に加え、バッチでは暴走して危険であるため実現できなかったプロセスを容易に行うことができます。
半面、マイクロ空間を反応場として利用するため、従来の生産ラインでは無視できる程度の流路壁への原料および生成物の付着、気泡の生成などによる流路の閉そくが問題となります。またナンバリングアップという概念そのものの問題(リアクター間の性能のばらつきなど)があり、クリアすべき課題もあります。ULREA(アルリア)は従来のマイクロリアクターがもつ課題を解決した新しいマイクロフローリアクターです。

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